今回は、ネットワーク上で通信を行う上での考え方について記述します。
◆ネットワークアーキテクチャ
ネットワークの通信に必要な機能を意味あるまとまりに整理して、理解や実装を手助けする考え方をネットワークアーキテクチャと呼びます。
代表的なものには「OSI参照モデル」「TCP/IP」の二つがあり、それぞれ機能のまとまりを階層構造で表現しています。
◆OSI参照モデルとTCP/IP
OSI参照モデルは機能のまとまりを、「物理層」「データリンク層」「ネットワーク層」「トランスポート層」「セッション層」「プレゼンテーション層」「アプリケーション層」
の7つの階層で表現しています。
「物理層」からレイヤ1(L1)、レイヤ2(L2)……と表現することもあります。
それぞれどの種別の機器がどの層の役割を担うかも原則定められており、例として物理層はモデム、データリンク層はL2SW、ネットワーク層はルータ、それより上位の層は
ファイアーウォールやアプリケーションが担うのが原則になっています。L3スイッチはデータリンク層とネットワーク層のどちらの役割も担うことができます。
スイッチのL2、L3という区別の名称は、このOSI参照モデルの階層構造の考え方が由来となっています。
対してTCP/IPは、OSI参照モデルで表現したそれらを、「ネットワークインターフェース層」「ネットワーク層」「トランスポート層」「アプリケーション層」の4つの
階層で表現しています。