私達が何気ない日常生活を送る時も、感覚の働きは必須である。朝 の光、外の音、床の冷たさなど、全て感覚がこれらを受容し知覚される。こうした外界に起きている事は自覚・無自覚にせよ全て感覚受容器によって受け止められ、脳で処理される。
私達が「感覚」という言葉を使う時、それは「五感」に基づくものである事が一般的であろう。
これらの五感には、
・Where (どこで)
・When (いつ)
・How (どのように)
という 3 つの特性が存在する。
例えば物体を見ている時、それは「どこで」感じているかはっきり と分かるし、音を聞く時、何かを味わっている時、それらを耳や舌と いった感覚器官のどこで感じているのかを自覚する事ができる。
また、「いつ」それらの感覚が使われているのかも、明確に説明する事ができる。音を聞いたら「今、聴こえている」という事は他者に伝 える事ができるし、ガムを噛んだら味がする、味がしなくなる、という事は容易に説明可能だろう。
また、五感は「どのように」使われているのかも自覚しやすい。音 が大きい、光がまぶしい、甘い・苦いといったように、「どのように」 私が感じているか、という事はなんらの苦労もなく感じる事が可能だ。しかし、これらは非常に主観的なものであるし、他者との比較も容易ではない。