この記事では、哲学書である「死」とは何かについて書いていきます。
本書は内容が濃く文量も多いため、1記事で1章ずつ取り上げていく予定です。
記事では章の要約を述べ、その後に所感として疑問点や解釈などを述べます。
今回の章は『第1講:「死」について考える』です。
本章では、本書の流れや前提情報、読む上での注意点が述べられます。
イントロダクションの章のため、本記事では所感は省略して要約のみ述べます。
哲学の入門書には大きく2通りの書かれ方があります。
一つは、様々な考え方を紹介し、筆者は中立な立場をとるパターン。
もう一つは、ある考え方を支持し、その考え方の正当性を主張するパターンです。
本書は後者ですが、ただ同意するのでなく自身で検討されることを望まれてます。
また、本書では宗教的な事柄を根拠に用いません。
本書では死について知りうる事と論理的思考のみ用います。
最後に、本書で扱う全てのテーマには、より考察するべき論点が残されています。
これらの論点は非常に複雑になり、入門書の範囲では扱えないためです。
このため、本書での結論が決定的な見解とは限らないことに注意してください。
本書では死そのもの、死の作用、自殺、の三つについて考察します。
それぞれの主なテーマは以下になります。
●死そのものについて
●魂は存在するか
●死ぬとどうなるか
●死後も存在し続ける可能性はあるか
●死の作用について
●死は悪いものか
●不死は良いものか
●死にどう向き合うべきか
●自殺について
●自殺の合理性と道徳性(あるいは不合理性と不道徳性)
考察に入る前に、各テーマへの一般的な見解と著者の見解が述べられています。
述べられた一般的な見解は以下になります。
●人間は物理的な身体だけでなく魂も持っており、身体の死後も魂は存在し続ける
●死は悪いものであり、そのため不死は良いものである
●もし死が一巻の終わりであるなら、死には恐怖と絶望をもって向き合うべきである
●死は悪いものであるため、自殺は常に不合理かつ不道徳である
一般的な見解に対し、著者はこれらが全て誤りであると主張しています。
著者の見解は以下になります。
●魂は存在しない
●不死は良いものではない
●死を恐れるのは適切ではない
●自殺は特定条件下では合理的かつ道徳的になりうる
本書の以降の章では各テーマについて考察し、筆者の見解が正当である根拠が述べられています。
本記事をお読みいただきありがとうございました。
今後も本書の記事を書いていく予定ですので、次の記事も読んで頂けると幸いです。
また、本書のような哲学書は一人で読むだけでなく、誰かと考えを語り合うことが重要です。
本書を読まれた方や、これから読もうと考えている方がいましたら、TwitterのDMからご連絡頂けると嬉しいです。