政府が打ち出している防衛費の大幅増額で気になったのは、GDP比で2%という目標です。この2%という目標数値について岸田首相は「防衛力の抜本強化の内容の積み上げ」と説明されていますが、具体的な根拠は示されていないように思います。おそらくNATOが示す目標数値GDP比2%に合わせたのであろうと想像出来ます。そこで、日本の防衛費は世界的に見てどの程度の推移なのか気になったので調べてみました。21年度の軍事費GDP比率1位は、オマーンで11.475%、2位サウジアラビア8.989%、3位アフガニスタン6.237%、ロシアは9位で4.188%、アメリカ13位3.811%、韓国29位2.602%、中国43位2.053%、日本103位で0.992%でした。比率的には少ないですが、みなさんご存知の通り日本のGDPは世界でアメリカ、中国に次いで第3位です。では、軍事費の21年度予算額で見たらどうなのでしょうか。1位アメリカ104兆873億円、2位中国38兆1357億円、3位インド9兆9577億円、ロシア5位8兆5680億円、日本は9位7兆361億円、10位に韓国6兆5295億円(わかり易くする為にUSドル記載を日本円に、130円換算にて記載していますので当時の実際の額と異なっております)、GDP比では1位だったオマーンは7519億円で38位となっております。日本政府が目標としているGDP比2%となると防衛費は12兆8246億円となり、3位のインドを抜きアメリカ、中国に次いで3位となります。確かに、日本を取り巻く環境はかなり危険となっています。ならずもの国家のロシアを初め、中国、北朝鮮、戦後最悪に冷え込んだ関係となっている韓国もあります。また、老朽化してきている武器や、建屋などの実体も聞きます。災害時など危険の最前線で救援活動をしてくれている自衛隊員の労働環境改善は必須と強く感じているものの、政府が打ち出す数値の根拠が曖昧である以上、大賛成は出来ません。日本の経済状況も先行き不安である中、不明確な理由で増税されては納得出来ません。どのような武器にいくらの予算を割き、隊員の環境改善にいくら割くのかなど、もっと具体的な予算計画を算出頂きたいものです。