今回のタイトルは、昔からよく言われているような言葉です。
一般の方が聞くと、とても古くさい考え方が根っこにある言葉のように感じますね。
私も、農業を始める前は、なにもそこまで無理にお米を食べなくてもいいじゃない!だって人それぞれ好みはあるし、小麦の方が、パンやうどん、ラーメン、パスタ、ピザ…と用途が幅広いし食感も食べやすくて、むしろ米よりも断然利便性の高い食材だと考えていました。
しかし、就農して色々と勉強していくうちに、戦前はほとんどが米食だったのになぜここまで小麦中心の食事になっていったのかが見えてきました。
まず現代において、私たちの食に大きく浸透してる小麦は、戦後の食糧問題が大きく関係しています。終戦後、日本を占領していたGHQは壊滅的な日本の食糧事情を改善するため、アメリカで余剰生産分の小麦のはけ口として、日本に格安で提供し、政府はそれを主に学校給食用食材として消費させてきました。またそれらと同時に、栄養学の分野においても「米を食べると馬鹿になる」「米の大量摂取は消化に悪い」「炭水化物の過剰摂取につながり、太りやすくなる」などと、まるで科学的根拠に基づいたデータでもあるかのようなネガティブキャンペーンを行い、小麦の方がはるかに優秀な食糧であるというイメージを植え付ける教育を続けてきました。その結果、我が国では徐々に米の消費が落ち込んでいき、やがて国としても過剰生産による米価暴落を回避するため、減反政策による生産調整政策を取り始めたのです。
<続く>