一般社団法人 全国個人事業主支援協会

COLUMN コラム

  • 要件定義ができる人たち

要件定義は、プロジェクトの成功を左右する非常に重要なフェーズです。
クライアントのニーズを正確に把握し、それをシステムに反映させるための基盤となる情報精査です。しかし、これが一筋縄ではいかないのです。

まず、クライアントとのコミュニケーションが鍵となります。
クライアントは自分たちの業務に精通していますが、システムの専門知識は持っていないことが多いです。
そのため、彼らの言葉をシステムの仕様に翻訳する作業が必要です。ここで誤解が生じると、後々の工程で大きな問題となります。

次に他ベンダーの存在です。彼らがまともなビジネスをしているとは限らないのです。
大手会社だろうと、中小だろうと、要件定義を順調にこなせるスキルを持った人は少ないのです。

要件が曖昧であったり、頻繁に変更されたりすることもありますが、これが発生するのは普通のことです。
しかし、それに対応するためには普通ではいけません。柔軟な思考と論理的、かつ迅速な対応が求められます。

私の経験では、一つの変化に戸惑い、放棄したり、逃げ出したり、感情をあらわにする人をたくさん見てきました。
彼らは総じて未熟ですが、未熟であることが多数派なのです。さらに、彼らは一部の優秀なビジネスパーソンを妬みます。

技術的な制約や予算の制約も考慮しなければならないのに、未熟なエンジニアのサポートまで課される。それが要件定義です。
理想的なシステムを作りたいという思いはありますが、現実的には限られた貧弱なリソースの中で最適な解決策を見つける必要があります。

時に冷酷に、時に冷淡に。仕事ができるということは不幸であると言えるのです。

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