こんにちは、横浜・鎌倉 大船の鍼灸院 はり・灸 松野治療室の院長松野です
そろそろ梅雨も明け夏本番になりそうですね
暑さ対策は万全ですか?
熱中症にならないためにまずは熱順化についてお話しします
暑熱順化とは、体が暑さに慣れることで、汗をかきやすくなったり、体温の上昇を抑えたりする能力を高めることです。これにより、熱中症のリスクを軽減し、暑い環境下でも快適に過ごせるようになります。
暑熱順化のメカニズムと効果:
- 発汗能力の向上: 汗腺の機能が活発になり、より早く、より多くの汗をかくことができるようになります。これにより、体表からの熱放散が促進され、体温上昇が抑えられます。
- 汗の質の変化: 汗に含まれる塩分濃度が低くなり、より効率的に体温を下げつつ、体に必要なミネラルが失われるのを防ぎます。
- 皮膚血流の増加: 皮膚の血管が拡張し、血液が流れやすくなることで、体内の熱を効率的に体表に運び、放散させます。
- 心拍数の安定: 同じ運動量でも、暑熱順化が進むと心拍数の上昇が抑えられ、心臓への負担が軽減されます。
具体的な暑熱順化の方法:
- 段階的な暑さへの暴露: 急に暑い環境に長時間身を置くのではなく、徐々に暑さに体を慣らしていくのが重要です。
- 軽い運動: ウォーキングやジョギングなど、少し汗ばむ程度の運動を、室温が高めの場所や日中の屋外で行います。最初は短時間から始め、徐々に時間を延ばしていきましょう。
- 入浴: ぬるめのお湯(38~40℃程度)にゆっくり浸かることで、体温を上げ、発汗を促します。半身浴も効果的です。
- サウナ: 無理のない範囲でサウナを利用するのも一つの方法です。ただし、脱水に注意し、水分補給はこまめに行いましょう。
- 継続が重要: 暑熱順化の効果は、約1~2週間で現れ始め、2~3週間継続することでピークに達すると言われています。また、効果は数日で失われてしまうため、暑い時期を通して継続的に行うことが大切です。
- 水分補給と栄養: 暑熱順化を効果的に進めるためには、十分な水分と電解質(ナトリウムなど)の補給、バランスの取れた食事も不可欠です。
暑さ対策に鍼灸の有効性について
鍼灸は、東洋医学に基づく治療法であり、体内の「気(き)」や「血(けつ)」の流れを整えることで、体の自然治癒力を高め、様々な症状の改善を目指します。暑さ対策においても、直接的に体温を下げるというよりは、暑さによる体調不良の改善や、熱中症予防のための体質改善に貢献する可能性があります。
暑さ対策における鍼灸の期待される効果:
- 自律神経の調整: 暑さや湿度が高い環境では、自律神経が乱れやすくなります。鍼灸は、交感神経と副交感神経のバランスを整えることで、発汗機能や体温調節機能をサポートし、だるさや頭痛などの不調を和らげる効果が期待できます。
- 胃腸機能の改善: 暑いと食欲不振になったり、冷たいものの摂りすぎで胃腸の調子を崩しやすくなります。鍼灸は、消化器系の働きを整え、栄養吸収を促進することで、夏バテ予防に役立つ可能性があります。
- 血行促進: 鍼灸によって血行が促進されることで、体内の熱が効率よく放散されやすくなる可能性があります。また、肩こりや頭痛など、暑さからくる体の緊張を和らげる効果も期待できます。
- ストレス軽減・リラックス効果: 暑さはストレスの原因にもなります。鍼灸は、心身のリラックスを促し、ストレスを軽減することで、暑さによるイライラや不眠の改善に繋がることもあります。
有効な経穴(ツボ)
熱中症の予防や夏バテ対策として、以下のようなツボが一般的に用いられることがあります。
- 合谷(ごうこく): 手の甲にあるツボで、全身の気の巡りを整え、頭痛や発熱、自律神経の調整に用いられます。
- 足三里(あしさんり): 膝下にあるツボで、消化器系の働きを整え、疲労回復や体力増強に効果的とされます。
- 太衝(たいしょう): 足の甲にあるツボで、気の滞りを改善し、ストレスやイライラの緩和に用いられます。
- 内関(ないかん): 手首の内側にあるツボで、吐き気や動悸、精神安定に効果があるとされます。
注意点:
- 鍼灸は、あくまで体質改善や症状緩和を目的とするものであり、重度の熱中症に対する直接的な治療法ではありません。
- 熱中症の症状(意識障害、けいれん、高体温など)が見られる場合は、直ちに医療機関を受診してください。
横浜・鎌倉 大船の鍼灸院 はり・灸 松野治療室
横浜市栄区笠間2-16-20 オフィス笠間1F
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