「今日から8月…毎日暑い」。そんな一言から始まった今月は、まさに“熱い”日々だった。現場、講習、営業、そして手術。身体も頭もフル回転の一ヶ月だった。
岡山県森林土木協会の資料作りに着手しながら、ある建設会社の社長との電話で「ICT寺小屋」の話を聞いたときは、思わず唸った。普及促進の最短距離を走るその姿勢に、技術者としての矜持を感じた。
丸亀では建設会社にてLandFormsの指導。点群から舗装計画を“チャチャチャっと”見せると、担当者の顔がほころぶ。こういう瞬間が、技術者冥利に尽きる。
一方で、ばね指の手術という個人的な試練もあった。麻酔の痛み、術後の不自由さ、そして「この右手は治るんだろうか?」という不安。マウスを握るたびに痛みが走る中でも、データ作成は止まらない。技術者にとって「手」は命だ。だからこそ、痛みと向き合いながらも前に進む。
LRTKのAR機能を使った横断図表示にも挑戦したが、寸法線が表示されず苦戦。SketchUpでもうまくいかず、開発元に要望メールを送る。技術は進化するが、現場の課題は常に一筋縄ではいかない。
ある講習会では、技術指導のはずが人生相談に発展。「夫婦の危機」という重い話に耳を傾けながら、点群評価の現実にも向き合う。現場には、技術だけでなく人間ドラマがある。
高専では炎天下のフィールドワーク。自動追尾測量からBOBCATグレーダーの実機研修まで、学生たちと汗を流す。途中、熱中症の兆候で車中休憩。体力の限界も感じたが、若手育成の手応えは確かだった。
営業では複数の企業や教育機関を訪問。インターンシップの打合せも進み、技術と教育の接点を探る。そして懇親会では、ある企業の人柄に触れ、「やっぱりいい会社だ」と実感。人とのつながりが、技術の根を深くする。
月末には皮膚科受診や分会への出席もあり、身体と心のメンテナンスも忘れずに。シャワーヘッドを買ってしまったのは、ちょっとしたご褒美かもしれない。
技術と現場、人と人、そして自分自身との対話。そんな濃密な一ヶ月だった。右手の痛みはまだ続くが、前を向いて歩いていく。ICT施工の普及と人材育成という使命のために。