今年も恒例の面接練習。
皆ほぼ良い仕上がり具合だ。
さて、入試当日は本人確認のため、受験票と本人の顔を照合する。コロナ禍前は必要無かったが、「はい、(今だけ)マスクを外すか、顔全体が見えるようずらして下さい」との指示が出る。
面接官役の私は、面接練習と言えど、本番さながらにマスクをずらす指示をし、受験票と顔を見比べるフリをする。
想定外の事態に弱い子もいるので、なるべく細かな所作も練習しておきたい。
すると、突然マスクを外すことにパニックになり、挙動不審になってしまった子がいた。マスクを外した後、手のひらで口元を必死に隠そうとする。顔全体を晒すことが不安で仕方ないと言う。
「マスク外すの、嫌?」と数人に聞いたところ
「マスクで顔半分隠せるとなんか安心」
「あったかいやん」
「ずっと顔半分しか見てないし、見せてないから、急に顔全部見せるの恥ずかしい」
「普段目しか見てない人の顔全体を見たら違和感ある」
など。
彼らは中学生活三年間ずっとマスクを着けていた。顔半分でのコミュニケーションのほうが日常であり、顔全部をさらけ出すのは異常事態に等しいのだ。
暖かくなるころには、数年ぶりにマスク無しの生活が戻ってくるかも、とのこと。
一時は「マスク警察」まで出没するほど、マスクをしないことへの拒否感が強かった。
さてマスクに慣れ、安心感すら抱いている層はどこまでマスク離れできるだろうか?