有酸素運動は、それ自体が脂肪を燃焼してエネルギーを得るという特徴とともに、継続可能な運動なのでトータルの運動量を稼げるので体力強化やダイエットに有効です。
最大心拍数の70%を超えるような激しい運動では呼吸が浅くなったり、追いつかなくなって十分な酸素を取り込むことが出来ず、無酸素での運動となりますが、それではすぐにATPを使い果たして終了してしまいます。激しい運動は運動負荷が大きく、運動効率は高くなるものの、長期間継続出来ないんですね。
一方で中程度の負荷の有酸素運動は基礎的な体力があればかなりの長時間続けることが出来ます。運動効率は無酸素運動ほど高くはないものの運動時間が稼げるのでトータルでは運動量や消費カロリーを稼げるわけです。まさしくウサギとカメの競争と同じですね。
またよく有酸素運動は20分以上続ける必要があるといわれますが、その理由もご承知でしょうか?
運動を始めた当初は身体に蓄積した脂肪は使われず、血液中の脂肪を消費されます。運動を始めて20分くらい経ったころには血液中の脂肪をある程度使い切り、そこからようやく身体に蓄積した脂肪を分解してエネルギーとして使用します。
また体脂肪をエネルギーとして使うにはリパーゼという脂肪分解酵素が必要なのですが、それが活性化するのが体温が1~2℃高まり、体感では少し汗ばむくらいの状態になる必要があります。この状態になるのが運動開始から20分程度以降からなんです。
一方で有酸素運動は長く続けられる運動であるがゆえに、気を付けないといけないことがあります。
先ほど説明した通り、体内の糖を燃焼しきった後は、血液中の脂肪、その後は身体に蓄積した脂肪を分解してエネルギーに変えるのですが、運動負荷が大き過ぎたり、もともと脂肪燃焼が苦手な体質だと、身体を構成する源となるタンパク質を糖に変換してエネルギー源とします。最初は食事で摂ったタンパク質を使うのですが、それがなくなると身体を構成しているタンパク質(主に筋肉)を分解してしまうのです。
タンパク質不足の食事をとってタンパク質不足の体質になっている人(実は日本人に顕著)は運動によって本来は増えるべき筋肉が逆に減少して、脂肪を燃やしにくい、逆に太りやすい身体になってしまうことがあります。
また例えば私もそうなんですが、遺伝的にタンパク質を分解しやすいタイプの体質があって、そういった人の場合、意識してタンパク質を摂らないと運動することによって身体が弱ります。
がんばって運動しているのに、やつれる。疲れやすい。むしろ代謝落ちて体脂肪増えてない?っていう人は運動をする以前にまず、食事を見直す必要があるかもしれません。
次回は無酸素運動の必要性についてお話しますね。