一般社団法人 全国個人事業主支援協会

COLUMN コラム

  • フォームではなく感覚に目を向ける指導

例えばボールのキャッチが苦手な選手がいた場合に、コーチやトレーナーはその選手の何を改善する必要があると考えるだろう?ほとんどの場合、「センスがない」、「予測ができていない」などの理解程度で、選手の視覚機能や触覚機能に原因を求める事はしないのではないだろうか?
これは、感覚というものが非常に主観的であり個の中に内在するものでありながら、あまりに身近な存在であるため、選手の「感覚」 自体に問題があるという可能性についてコーチやトレーナーは具体的に理解しにくいためであろう。
ボールをキャッチする時の姿勢や手の形の作り方は他者の目からも明らかに観察できるので、指導する場合も「形」を修正するという事は簡単にできる。一方で、選手個人の持つ感覚については他者からは観察できず理解し難いものなので、修正の対象とする事が困難である。そのため、多くの競技の現場では「フォーム」という容易に指 導可能な部分がフォーカスされ、選手の持つ「感覚」は放置されてしまう事が多い。
感覚を無視した「フォーム」の修正は、感覚と運動の乖離を助⻑する可能性が高い。なぜなら、姿勢や運動は全て感覚の統合に基づくものであり、「フォーム」はその結果に過ぎないからだ。
課された運動課題に適した「フォーム」を指導したいと考えた場合には、「フォーム」そのものを修正するのではなく、運動課題に応じて発生する選手の感覚そのものに目を向ける必要があるだろう。
例えばスクワットのフォームを修正しようとする時に鏡を用いる事が多々あるが、これは最も初歩的な誤りと言って良いだろう。外的な視覚情報によって、自己の感覚がないがしろにされやすいからだ。 特にリハビリテーションにおいて鏡像を利用する事は避けるべきである。

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S.N

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